本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

日本映画

この自虐を笑えるか!「喜劇 愛妻物語」

驚いた。 タイトルとキャストから、ほのぼのしたホームドラマだと思って見たのだった。若干、違うかもしれないとの予感もあったのだけど、ほぼ何も知らずに、「感」で借りたDVD「喜劇 愛妻物語」。 売れない脚本家と、それを支えるパート従業員の妻、5歳の娘…

もっと荒唐無稽だったら傑作?「リボルバー・リリー」

私は、ある時期から、綾瀬はるか主演のテレビドラマは、ほぼ無条件で観るように心がけている。なぜなら、綾瀬はるかが好きだからだ。しかし、主演「映画」となると、けっこう見逃している。私にはなぜか、綾瀬はるか主演映画って、あまり面白そうに感じない…

岡田准一の凄腕殺し屋コメディ「ザ・ファブル」

かっこいい俳優として岡田准一を認識したのは、たぶんクドカンのテレビドラマだ。映画版の「SP」を見た際にアクション俳優として記憶に刻んだのだと思う。2022年の映画「ヘルドッグス」でも迫力の殺しっぷりで、たいへんよかった。 そんなわけで、コメディ…

落語初心者が見た「幕末太陽傳」という映画

最近になって落語を聞き始めた落語初心者の私が、懸案としていた映画をようやく見た。日本映画史上に燦然と輝く傑作と謳われる「幕末太陽傳」である。ベースとなっている落語は「居残り佐平次」とのことで、佐平次をフランキー堺が演じている、くらいの知識…

とにかく成田凌と清原果耶の会話が心地よい「まともじゃないのは君も一緒」

人とのコミュニケーションが苦手で、おそらく子供のころから「変」と言われ続けてきたために「普通」という概念がよくわからなくなってしまった数学オタクの塾講師、というのを成田凌が演じている。もう一人の主役は、何でもそつなくこなし、恋愛上級者のよ…

伊藤沙莉「タイトル、拒絶」でデリヘル事務所の内部を覗き見る

女優・伊藤沙莉がちょっと気になる、という理由から、DVDで「タイトル、拒絶」を観た。この映画の紹介記事で、黒ブラジャー姿の伊藤沙莉スチル画像を見た気もするが、映画が始まった途端いきなり現れる黒ブラジャー姿の伊藤沙莉に改めて度肝を抜かれる。以上…

わからないものを、人は「怪物」と認識する

映画「怪物」をシネプレックス旭川で観た。 先日行われたカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したという話題作。監督は是枝裕和。脚本は坂元裕二。音楽は先日亡くなった坂本龍一。 テレビドラマ「カルテット」「初恋の悪魔」を見て坂元裕二という人に注目してい…

「ヘルドッグス」で岡田准一のかっこいい暴力と狂った坂口健太郎を見よ

深町秋生の原作「ヘルドッグス 地獄の犬たち」ファンなので、映画版「ヘルドッグス」を見てきた。岡田准一主演のヤクザアクション映画だ。岡田准一演じる兼高は元警官で、関東最大のヤクザ組織に潜入し、会長の十朱(MIYAVI)の秘密をつかむというのがミッシ…

さかなクンの半生を、のん主演で、という奇跡「さかなのこ」

私は女優のんのファンで、さらに沖田修一監督の「横道世之介」(2013年)が好き、といったわけで「さかなのこ」は映画館でチラシを見つけて以来、大いに期待していた。そんな条件であるから、私にとって映画「さかなのこ」は面白いに決まっているのだ! 「さ…

蔓延するご清潔な安心・安全に慄け! 映画「激怒」

残念なことに間もなく閉館する(2022年9月19日とのこと)ディノスシネマズ旭川で映画「激怒」を見た。 高橋ヨシキ氏の企画・脚本・監督作ということで、いったいどのような映画なのか気になっていた。 高橋ヨシキ氏は雑誌「映画秘宝」のアートディレクター…

字幕、電車、深津絵里。森田監督90年代の復活「(ハル)」

90年代に入ると、あまり森田芳光映画を劇場に見に行かなくなってしまった。森田監督自身、映画監督としては不調の時期だったらしく、1992年に「未来の想い出 Last Christmas」を発表して以来、4年間作品を世に出さなかった。そんなわけで、1996年、4年ぶり…

日本で一番素晴らしい青春映画といえば、やっぱり「の・ようなもの 」

一番好きな日本映画は何ですか、と問われた際、なんと答えるべきか。全然、誰にも聞かれないが、実は答えを用意してある。 1981年公開の森田芳光監督の商業デビュー作「の・ようなもの」だ。 洋画なら「フェーム」なのだが、この2本は似ている。 どちらも青…