本と映画の埋草ブログ

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アリー my love_メモ◎001「めぐりあい」[Pilot]

 そんなわけで、1997年から5シーズンにわたって続く「アリー my love」第一回目を見直してのメモ。
 主人公は女性弁護士であるアリー・マクビールで、このドラマはキャリアウーマンが数々の困難にめげず仕事も恋も一生懸命頑張るコメディ、といった理解でよいのでしょうか(違うような気がする)。

 物語はアリーの心の声、ナレーションからはじまる。初期「アリー my love」にはアリーのナレーションが多用されている。久しぶりに第一回目を見ると、このアリーのナレーションに違和感を感じてしまう。というのは、シリーズが進んでいくのにしたがい、ナレーションが無くなっていくから。

 さて、ドラマではまず、アリーのこれまでが簡単に語られる。
 幼なじみの男の子ビリーとお尻の匂いを嗅ぎあったこと(犬の真似であるらしい)、はじめてキスをしたこと、ビリーの後を追い法律家を目指しハーバード大学に入ったこと等々。
 ところがビリーは法律家としてのキャリアを積むためミシガンへ転校してしまう。意地を張ったアリーはそのままビリーと別れてしまう。
 そんな回想シーンがあって、現在のアリーの様子が描写される。

 アリーは地元ボストンで弁護士として頑張る20代後半のキャリアウーマン。しかし、上司からセクハラを受け、さらに仕事を失う羽目に……。

 この第一回目は非常に密度が濃い。
 まずは主要登場人物たちを紹介しなくてはならない。

 失職したアリーは、すぐに大学時代の同級生フィッシュにばったり出くわす。
 フィッシュは、ドラマ「アリー my love」全シリーズの副主人公といってよい人物で、まったく尊敬のできない男として描かれる。金のことしか考えていない倫理観の低い人で、それゆえに(!)自らの事務所を構える成功した弁護士になっていた。突如再会して声を掛けられたアリーの台詞は「やだ、最低!」である。しかし、アリーは誘われるままにフィッシュの事務所へ転職する。

 そこには、幼馴染で恋人だったビリーがいた。運命の人である。
 かつての恋心に再び火がついてしまったアリーだが、なんとビリーは既に結婚していた! しかも奥さんはバービー人形みたいな金髪の美人で、しかもインテリな弁護士。
 以後、ドラマ「アリー my love」は、アリーとビリーと奥さんのジョージアの三角関係を基調としたコメディとなる。

 さて、アリーのルームメイトのレネ、フィッシュ事務所でアリーの秘書となるエレインなど、後の主要な出演者も効率よく紹介され、さらにアリーにセクハラをした上司への復讐戦とか、フィッシュ事務所での初仕事での挫折など、めまぐるしいほどの展開。
 このドラマの名物となるCGギャグも第一回目から全開で、心が傷つく表現として胸に矢が刺さったりするほか、ビリーと再会したことで貧乳を気にしたアリーが、ブラジャー姿を鏡に映して見ているうちに、どんどん巨乳になるという、女優なら絶対断るようなギャグまであった。

 また、この回でおかしかったのは、心が荒んだアリーが道で軽くぶつかったオジサンたちに理不尽な悪態をつくシーン。論理的に怒りをぶつけ、まくし立てるアリーのキレぶりが最高!
 さらに、音楽の使い方が洒落ていて、アリーの家に三角関係の敵であるジョージアが訪ねてくるシーンでかかるのは「サイコ」のあの音楽! また、後にアリーの心の〈テーマソング〉となる「Tell Him」が、早くも流れるのがシビレる。
 初回のキーとなる楽曲は、ビリーとの記憶を呼び起こす「Neighborhood」という甘い曲で、ネットで調べてみると、どうやら1974年のDino & Sembelloというフィラデルフィア出身のデュオの曲らしい。

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アリー my love」の歌姫Vonda ShepardのバージョンのYouTubeは↓

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