本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

アリー my love_メモ◎013「ペンギン作戦」[The Blame Game]

 今回は、前回の第12話、すなわちグレンとの一夜限りの情事に関する後日譚。
 海外へ旅立ったと思っていたグレンと偶然に出くわしたアリーは、もう一度、グレンとの行為に及ぶ。やはりCGのダンシングベイビーが軽快に踊り、バックにはヴォンダ・シェパードが歌う「Hooked On A Feeling」が流れる、といった様式美。

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 事務所が抱える今回の訴訟は飛行機事故だ。
 飛行機が墜落し、そのために父を亡くした遺族が、航空会社を相手に賠償請求を行う。墜落の原因が一切不明であることから、航空会社は過失を認めない方針なのだ。過失を証明する具体的証拠がまったく無い。裁判を担当するのは、いつものジョンとアリーとジョージア。墜落の責任が航空会社にあることを法的に証明する必要がある三人は「このままでは賠償金が取れない」とぼやくのに対し、社長フィッシュが一言。「法律なんてどうでもいい。人が死ぬところに賠償金あり。金だよ!」

 そんなこともあってアリーは飛行機墜落のリアルな夢を見て(このシーンはなかなかの迫力!)あげくに夢の中でジョージアを殺してしまう! なんだかアリーは精神的に不安定になっていくのだ。
 さらに、グレンとの危険な情事に関し、ビリーが口を挟もうとして、アリーは動揺。ビリーは明らかに嫉妬心をたぎらせている。

 そもそもグレンと自分とでは接点があまり無く(弁護士と、アルバイトで食いつなぐスノーボーダーでは、あまりに価値観が違いすぎる!)うまくいくはずは無い、となんとなく考えているアリーであり、一夜限りという刹那的な状況だからこそ情事に及ぶことができたと思えるのだった。しかし、そんな「愛」の無い世界を否定したいアリーは、その後もグレンと継続的に付き合おうと努力するのだが、なんとグレンのほうから別れを切り出される始末。「キャリアウーマンに引け目を感じるんだ」といって去っていくグレン。
 なんてこと! 寝たのに! というわけで、無責任な男を懲らしめるため、アリーはルームメイトのレネに依頼し、復讐「ペンギン作戦」を実行する。ジョージアも加わって、グレンをひどい目に遭わせるのだが、ご都合主義的な成り行きもあって、見ていてあまり楽しいものではない。
 裁判では航空会社が事故の責任をなにかに転嫁しようとしており、アリーは自らの復讐も〈責任転嫁〉ではないかと反省しはじめる。自分が幸せではないからといって、それを誰かのせいにするのは間違っているのではないか。
 飛行機事故の裁判は、弱気になった航空会社から和解で68万ドルの金額が提示された後に、ちょっとしたドンデンがあって、結果が出る。いつもの下のバーで賑やかに楽しむいつものフィッシュ事務所の面々のシーンの後、アリーの仕事部屋でしんみりするアリーとビリーで今回は幕を閉じる。