本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

アリー my love_メモ◎015「生涯に一度の愛」[Once in a Lifetime]

 アリーは事務所の経営者ジョン・ケイジとデートをする約束をしているが、あまり気が進まない。うまくいくわけないと感じているのだ。っていうか、ジョンは〈運命の人〉って感じがまったく無し。はたして、どうなる!

 といった話が進むなか、事務所に持ち込まれるのは著名な老画家シーモア・リトルからの依頼。七年前に妻を亡くしたのだが、孫ほども歳の離れた若い女性と結婚したいのだという。後見人でもある息子から反対されていて、結婚がかなわないので、なんとかしてもらいたいと言う。
 アリーはこの画家のファンであり代理人になるための挨拶に行くが、老画家はけんもほろろ。「こんなツンツルテンのスカートは認めん。ズボンをはいたまともな弁護士をよこせ。玉付きのな」
 というわけで、玉付きのビリーがサブに就くこととなる。

 老画家と結婚希望の女性とは60歳もの年齢差。息子は、父の無能力を主張。金目当て以外には、見えない。実際に女性に会ってみるが、金は要らないと言う。「チグハグな印象」とビリーは言う。「ところで、ジョン君とのデートはどうなったんだ」とビリーはアリーに問いかける。あきらかに嫉妬している感じで、アリーは少し浮かれた感じだ。

 アリーとのデートに臨む一方のジョンは、様々な不安を抱えていた。そのひとつが、唾液の分泌である。唾液が出すぎて困っているという。どうしたらよいかをフィッシュと相談していたところ、秘書のエレインが通りかかり、彼女が実践でご教示してくれた。強烈なキス! ジョンはフラフラ!

 さて、老画家の再婚問題だが、息子は大いなる違和感を抱えていた。父と母は運命の二人であった。だから、二度目の結婚などありえない、と。画家本人もアリーに問う。「妻が運命の女性だった。どうせ、おまえなど、運命の愛など知らんだろうが」
 アリーは答える。「だと、いいんだけど」

 今回の訴訟はアリーとビリーのコンビであるから、打ち合わせは二人きりになってしまう。ここで、あざとく流れるのはヴォンダ・シェパードが歌う「You Belong To Me」。第4話で流れた歌詞にピラミッドが出てくるアリーとビリーの思い出の曲だ。

 

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 二人は恐れている。お互いが運命の人だったら……。ビリーがジョージアと結婚してしまっている現在、それでは困るのである。

 一方、アリーとのデートに臨むため、気合を入れるジョン・ケイジ。共同トイレのなかで鏡に向かって頭の中で鳴らすのは、バリー・ホワイトの曲だ。その後、ジョンの心のテーマソングとなるバリー・ホワイトは、この回から登場したのだなあ。
 で、実際のデート、アリーは早口でコスメ情報をまくし立て、ジョンはちんぷんかんぷん。

 老画家の再婚問題は、やはり偽装であることがはっきりしてくる。老画家の本当の目的は小さなギャラリーを開くことで、そこに今描いている絵を展示することだ。
 老画家は現在、かつての妻の絵しか描かない。息子に言わせると、それらはすべて駄作である。こんなものが大量に市場に出ると、過去の絵まで批判にさらされる。父親の過去の栄光まで堕ちてしまうのは絶対に避けなくてはならない。

 なぜ画家はギャラリーにこだわるのか、アリーは直接、画家のアトリエを訪れ、質問する。画家は答える。「ただ心にあるものを描くだけだ」
 アリーの最終弁論は「永遠の愛、というものは、あるのだ」というものだった。

 ラストに流れる曲は「The End of the World」である。
 ビリーがアリーの部屋でつぶやく。「君を諦めたことを、いつか許してくれ」

 「The End of the World」はアメリカの女性歌手スキータ・デイヴィスの1962年ヒット曲。世界的に流行し、日本では「この世の果てまで」という曲名でヒットした。

 

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 「世界は終わったのに」と歌う曲が流れる中、老画家が一心不乱に妻の絵を描いている。彼には妻の思い出がすべてなのだろう。愛を失ったとき、世界は終わる。運命の人が死んでしまったのなら、なおさらだ。しかし、自分以外の世界は変わらずに動いているように見える。本当の世界はとっくに終わっているのに。

 「The End of the World」は多くの人にカバーされているが、なかに原田知世ヴァージョンというのがあり、YouTubeにあり、その映像が面白い。これって公式な原田知世ヴァージョンなのだろうか。違うのだとしたら、誰がビジュアルを作ったのか?

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