本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

「ヘルドッグス」で岡田准一のかっこいい暴力と狂った坂口健太郎を見よ

 深町秋生の原作「ヘルドッグス 地獄の犬たち」ファンなので、映画版「ヘルドッグス」を見てきた。岡田准一主演のヤクザアクション映画だ。岡田准一演じる兼高は元警官で、関東最大のヤクザ組織に潜入し、会長の十朱(MIYAVI)の秘密をつかむというのがミッション。
 潜入のとっかかりとしたのが、組織内でも極めて凶暴なサイコボーイといわれる室岡(坂口健太郎)と知り合うことだった。以降、岡田准一と坂口健太郎は相棒となり、この二人のバディムービーとしての魅力が、この映画のウリなのだと思う。いい男二人が暴力により組織内で成り上がっていく。男のおれもうっとりさ。
 さて、岡田准一が潜入した組織は関東最大の暴力団・東鞘会。跡目争いから現在二つに割れており、抗争が激化している最中であり、この戦いを有利に進めるために関西系暴力団の一角(こちらの組織も分裂しかけている)に情報収集の協力を依頼する、といった取引が描かれる。東鞘会に対抗している一派の背後には警視庁がいたりもし、結構複雑だ。そのあたりの状況を、映画では早口のセリフで一気に説明したりするものだから、はたして原作を読んでいない観客に理解できるのだろうかと、心配になりながら見ることとなった。
 原作ファンの私としては、原作の様々なシーンがかっこいい俳優によって映像化され、岡田の華麗なアクションが炸裂するのを見るだけで楽しいが、いったいこれは誰と誰が戦っているのかよくわからない観客がいるならば、その方は存分に楽しめていないのではないか、気の毒ではないか、などと心配になってきて、私もどんどん気がかりになってくる始末。大丈夫? 付いてきてる?
とはいえ、原作には無い部分も多く、原作には登場しないキャラクターも多い。特に松岡茉優演じるキャラは映画用オリジナルで、普段から松岡茉優を応援している私にとって、非常に満足だった。松岡茉優、良いなあ。
 まあ、抗争関係はけっこう複雑なのだけど、実のところ映画ではそのあたりは深く追及しているわけでもなく、シーンシーンを楽しめば良い、といったようなつくりになっているとも感じたので、あまり深く考えることもないのかもしれないが。
 最後に原作ファンとして、ひとこと。どのシーンもとてもクールな描写でカッコ良いが、できれば岡田准一と坂口健太郎の濃厚な兄弟愛、ヤクザ内の熱い家族的義理人情と警察組織の冷酷さとの対比なども描いて欲しかった。

ヘルドッグ(2022年)138分
映倫:PG12
監督:原田眞人
製作:ウィリアム・アイアトン、村松秀信、勝股英夫、藤島ジュリーK
原作:深町秋生『ヘルドッグス 地獄の犬たち』(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:原田眞人
撮影:柴主高秀
技闘デザイン:岡田准一
キャスティングプロデューサー

出演:岡田准一、坂口健太郎松岡茉優、MIYAVI、北村一輝大竹しのぶ金田哲、酒向芳 ほか

 

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