本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

いしいひさいち好きなので、ジブリアニメ「ホーホケキョ となりの山田くん」をいまさら見る

 

 ジブリアニメ「ホーホケキョ となりの山田くん」をレンタルDVDで見た。

 あたりまえの話だが、漫画家いしいひさいちは絵が上手い。ラフな線でありながらとても美しいと感じる。そして、このアニメは、その流麗な絵の雰囲気のままに動いている感じ。無造作な線とシンプルな背景がアニメになっている、というのは、素人目にもすごい技術なのだろうなあ、と思うが、四コマ漫画の世界を長編映画にするというのは、少々キビシイのではないか、とも感じた。

 

 そういえば思い出したが、いしいひさいちを一気に有名にした「がんばれ!タブチくん」もかつてアニメで劇場公開されていた。もう大昔だが、2本立ての同時上映が謎のホラー映画「ファンタズム」だった。どういう組み合わせなのだ! 調べると1979年のことだ。

 

 話を「山田くん」に戻すが、こちらは主題歌が矢野顕子で、先日見た映画「LOVE LIFE」の主題歌からの連想で未見の「山田くん」を思い出し、DVDを借りてきたという流れ。

 途中に入る矢野顕子スキャット風の曲が素晴らしく、先日見た映画「LOVE LIFE」はお話し的にどこがLOVEでLIFEなのだかさっぱりわからなかったが、こちらの「ホーホケキョ となりの山田くん」はとてもLOVEでLIFEだった。のぼる君に女の子から電話が掛かってきて(いわゆる家電に)そのシーンに、初期の名曲「電話線」が突如鳴り始めてびっくりしたが。

 こちらのアニメの公開は1999年で、この時期、朝日新聞連載の四コマ「ののちゃん」には、プロモーションの意味もあったのか、ジブリの鈴木プロデューサーにそっくりのコンビニ店長が度々登場。この店長はほとんど犯罪者予備軍のような汚れたキャラクターで、それがひどく面白かった。

 

ホーホケキョ となりの山田くん(1999年)104分

監督:高畑勲

脚本:高畑勲

音楽:矢野顕子

出演:朝丘雪路益岡徹五十畑迅人宇野なおみ矢野顕子富田靖子古田新太上岡龍太郎笑福亭鶴瓶江川卓 ほか

 

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埋草日記◎映画「バービー」をDVDで見たけど、実はよくわからなかった

 フェミニズムというものが何か、が実はよくわかっていない私である。

 そんな体たらくだから、映画「バービー」は何も考えずに楽しめる、というわけにはいかない。

 

 マーゴット・ロビーは相変わらずのブロンド美女っぷりであるが、この方、なにか「正統派」という気がしないのはどういうわけか。そもそも認知したのが「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役という一種のキワモノだったせいか?

 だけど映画「バービー」の主演と聞いた際は、確かに今バービー人形の映画を作るのなら、それを演じるのにピッタリっていえば、マーゴット・ロビーをおいてほかにはいないよなあ、といった印象を持つ。やっぱりアメリカンな金髪美女代表はマーゴット・ロビーで決まり! ってのは、いわゆるルッキズムの典型ってこと?

 相手役がライアン・ゴズリングってのも、ナイスなキャスティングだと思う。

 

 ネットで、この映画のプロモーション映像「2001年宇宙の旅」パロディを見て、これは面白そうと思ったから見たのだが、そのシーンは冒頭にあり、再見してやっぱり面白かったのだけど、こういうのをもっとやってほしかったと思った。それって、単なる私の好みの問題であり、ないものねだりか。

 バービー人形をモチーフに、フェミニズムダイバーシティをコメディとして提示するっていうのは、とても面白い試みと思うが、映画「バービー」がコメディ映画として良かったかどうかとなると、少なくとも私にはそれほど面白かったとは思えない。ただしそれは、作品のせいだけとはいえず、単に私のフェミニズムなどに関する考えが浅すぎるという点が大きいとは思う。うーん、いろいろ難しい。

 

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映画「LOVE LIFE」は矢野顕子の曲が原作なのか?

 

 深田晃司監督の映画は「ほとりの朔子」「淵に立つ」の二本を見ている。どちらも面白かった。

 矢野顕子の「LOVE LIFE」は発売当時にCDを買い、よく聴いていた。深田監督もこのアルバムが好きらしく、触発されて映画「LOVE LIFE」を作ったとのこと。アルバム表題作「LOVE LIFE」はおだやかな優しい曲だ。発売は1991年のことで、映画「LOVE LIFE」が2022年というから、なんと30年以上前の曲ということになる。

 さて、映画「淵に立つ」などは容赦のない不穏な映画といった記憶だけに、優しさにあふれた矢野顕子「LOVE LIFE」の世界と深田映画とはイメージが合わないというか、いったいどんな映画なのか、見当がつかない。

 

 実際に見てみると、とにかく物語がどっちに転ぶかわからない、というか、むしろこちらの予想とはウラハラに展開していくというか、しかも主人公はじめ登場人物たちの言動も状況によってブレまくり、あれよあれよと物語に翻弄されるように見終わってしまった感じ。

 

 物語は以下のようなもの。

 ホームレス支援の仕事をしている妙子(木村文乃)は、夫・二郎(永山絢斗)、妙子の前の夫との息子・敬太(嶋田鉄太)とともに団地で暮らしている。向かいの棟には、夫の両親が住んでいて、ベランダ越しにコミュニケーションをとっている。ある日、悲しい事件が起き、失踪していた妙子の前の夫・パク(砂田アトム)と再会する。パクはろう者で韓国国籍の男だった……。

 

 矢野ソング的なホンワカムードは感じられず、どこが「LOVE LIFE」なのかよくわからない。といったわけで、思っていたのとは違う印象の映画ではあったのだけど、ひとことでいえば面白かった。

 

 ありきたりな感想だが、役者の皆さんが、すばらしい。子供と猫の演技が凄くって、びっくりした。もちろん主演の木村文乃が凄い。

 思えば「ほとりの朔子」では二階堂ふみ、太賀、古舘寛治が素晴らしかったし、「淵に立つ」の浅野忠信筒井真理子も凄かった。深田晃司監督の映画は役者を際立たせるのだなあ。

 よくわからないところや腑に落ちない点もあり、誰もが好きになるタイプの映画とは思えないが、私にはとても面白かった。特に終盤の木村文乃が踊りだしてしまうシーンが素晴らしい。その時に流れる曲も最高! あまりのことに笑ってよいのかどうか悩む場面なのだけど。

 

LOVE LIFE(2022年)123分

監督:深田晃司

脚本:深田晃司

撮影:山本英夫

出演:木村文乃永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜、嶋田鉄太、三戸なつめ、福永朱梨、神野三鈴、田口トモロヲ ほか

 

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埋草日記◎つかこうへいの小説「寝取られ宗介」を再読する

 ずいぶん久しぶりに、つかこうへいの小説を読んだ。「蒲田行進曲」で直木賞賞を受賞したつかこうへいが、受賞後第一作として発表した「寝取られ宗介」だ。1982年に小説として発表された作品。

 

 つかこうへいの小説をすべて読んでいるわけではないが、読んだ中では一番好きな小説が「寝取られ宗介」である。

 「寝取られ宗介」のどこが好きなのかを考えてみる。なんといってもラストの盛り上がりが素晴らしい。

 劇団の音響係の青年が病床の妻に宛てた手紙という形式の小説なので、メインの話となる座長と妻レイ子の愛の物語、そして音響屋の妻への愛がラストで交差し、交響曲的な大音響を響かせるのである。

 

 演劇的な「盛り上がり」でしか生きている実感が得られない「座長」を中心としたストーリーで、異常に面倒見の良い「座長」は、「腹黒日記」における「つかこうへい」自身を投影したキャラクターといえるだろう。そして、私はつか作品に登場する「つかこうへい」が大好きなのだ。だから、つかこうへいの著作の中でもっとも面白いのは「つかへい腹黒日記PART2」だと思っている。

 

 「寝取られ宗介」は1992年に若松孝二監督で映画になっている。座長を演じたのは原田芳雄で、奥さん役は藤谷美和子。少なくともビデオでは見ているはずだが、全然覚えていない。もう一度見てみようと、いつも行くレンタルDVD屋さんで探すが、置いていなかった。

 また、NHKでドラマにもなっている。「嫁ぐ日’84」というタイトルだから、映画よりずいぶん早い1984年のドラマだ。こちらはうっすらと奥さん役の大竹しのぶの姿を覚えている。ネットで調べると座長は萩原流行だったようだ。

 私は演劇を見る習慣がなかったので、実はつか演劇を一度も見たことがない。東京では今でも結構な頻度で「つかこうへい作」の舞台をやっているようだ。機会があれば、観に行きたいと思っている。もちろん、つかこうへい演出の芝居を見ることは、もうできないけれど。

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埋草日記◎北海道新聞が一日遅れて配達された

 まあ、以下は、他人の小さなミスをあげつらうようなセコい文章になるのだが、備忘録として記す。

 

 先日、けっこう衝撃的(あくまで私的に)な事態が発生。金曜日のことだが、朝、郵便受けから新聞を取り出そうとして、いままでに感じたことのない違和感を覚えた。なにかが変!

 毎週金曜日には「ななかまど」と題された新聞の別冊的なもの(ちょっとした生活情報や求人などを記載)が折り込まれるのだが、それとチラシしか入っていない。本体であるこの日の新聞がない。折り込みだけが投函されている。

 そんなことがあるだろうか。いや、ない。

 配達の方が「つい、うっかり」たまたま私の家だけ、チラシのみを配ってしまったに違いない! うっかりにも程がある。

 たった一日、誤ったくらいでクレーム的な電話をするのはいかがなものか、おのれの度量の狭さを見透かされるぞ、と思ったものの、優しく間違いを指摘するのもある種の社会的良識かも、などと考えて販売店へ電話をしてみた。話し中で繋がらない。

 

 そのまま、まあいいか、といつものように職場へ行ったのだが、そこで事実を知る。詳しくは不明だが北海道新聞印刷機かなにかのトラブルで、今朝は新聞が届かない、といった事態が発生していると会社の人が教えてくれた。

 機械の故障で新聞の発行が遅れるというのは、考えてみれば大いにありえることだが、実はいままで経験したことがない。そして、わが地域の販売所は優秀で、大雪が降った朝でもキチンと配達されていて驚くほどだ。今朝のチラシのみの配達も、新聞は届けられないものの、せめて折り込みだけでも、との心意気だったのだろう。印刷部門や販売所などの現場が大混乱し、てんやわんやの状況だったであろうことは容易に想像がつく。「明日の一面トップは、新聞が届かなかった事態が発生、ってことかも」と職場の人と話をした。具体的には何が原因でこのようなトラブルになったのだろうか。

 

 翌日の朝、金曜日と土曜日の二日分の新聞が郵便受けの中に入っていた。つまり、私の地域では一日遅れで新聞が配達されたということになる。

 一面に小さく、制作上でトラブルが発生し配達が遅れた地域があったことをお詫びする旨の記載があるだけで、詳細は書かれていなかった。なんだ、説明はないのか、と肩透かしを食った。一面トップの記事は石破新総裁誕生を告げるものだった。

 

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埋草日記◎DVDで「ケイコ 目を澄ませて」を見る

 レンタルDVDで「ケイコ 目を澄ませて」を見る。

 生まれつき耳に障がいを持つ女性ボクサーの物語。とても淡々とした映画だった。

 

 ボクシングの練習風景や普段の仕事であるホテルの清掃の様子、そこでの仲の良い従業員や後輩との何気ないやり取り、同居する弟やその恋人との日常生活、聴覚障がい者の友人たちとの食事シーンなどなど、これらが淡々と描かれる。

 見ていると、自然とヒロイン「ケイコ」を応援したくなる。だから、嫌な展開になったりして主人公が過度に傷ついたりしたら嫌だなあ、と思って見ることとなる。まあ、この映画を見たたいていの人は、そうなるのだと思う。

 

 異様にあっさりしたラストを見終わって、ちょっと調べてみると、実在の聴覚障がいの女性ボクサー小笠原恵子の自伝『負けないで!』を原作としているとのこと。ボクシング映画というジャンルに属すると思って見ただけに、勝手に熱い展開を期待していたのだが、そういうタイプの映画ではなかった。後からジワジワ効いてくる、って感じの映画だ。

 なんといっても、ヒロイン演じる岸井ゆきのが素晴らしい。この人は朝ドラ「まんぷく」に出ていたのを記憶している。「まんぷく」ではとても可愛らしいキャラクターだったと記憶するが、こんな精悍な演技もできるとは! 老舗ジムの会長三浦友和とその妻の仙道敦子の抑えた演技も素晴らしかった。

 

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埋草日記◎12,600円で中古PCを購入

 ブログ用文章を書くのを趣味としているが、ときに書くこと自体が苦痛となり、長期的にブログのアップが滞るといったことを、ここ数年繰り返している。

 昨年秋に、同様の事態となり、このときは、それまで快調に使用していた1万円くらいで買った中古PCが突如不調となった。2年間くらい使用していたもので、まあ、いまどき1万円くらいの中古PCが、約2年間、便利に使えていたというのは、あたりが良かったと考えるべきか。1年5000円ほどの消耗品だったという計算になるが、これは果たして高いのか安いのか。

 ほかにも古いPCが手元にあり、こちらでテキストは打てるのだがネットに繋がらず、だからブログをアップするには、テキストファイルをUSBにコピーして、ほかのPCでネットに接続し、などといった非常に面倒な手順を踏まねばならず、そもそもブログを書くこと自体が面倒なものだから、しばらくお休みしていた次第。

 

 時が流れ、今回、また中古PCを購入した。アマゾンで中古品を検索した結果、「東芝ノート DynaBook B554」という機種を1万2600円で購入。安い機械を探していると、富士通のPCも候補に挙がったのだけど、前に買ったのが富士通のものだったので、あえて違うメーカーを選んでみた。だって、いろいろ触ってみたいじゃない。といったわけなのだが、選んだ東芝の機種にはMicrosoftのofficeが付いていないとのこと(富士通のには付属していた)。それは不便かも、と一瞬考えたが、広大なネット世界には無料の互換ソフトとかがあるはずで、なんとかなると判断。「安物買いの銭失い」という諺を知ってはいるが、ネットが見られてテキストが打てればいいや、という程度のモノに高額は支払えないという「性根がケチ」はたぶん生まれつきだ。

 今回はどのくらいで壊れるのだろうか、このPC。

 

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