「赤い羽根共同募金」などを運営する社会福祉法人北海道共同募金会(札幌市)が1億8000万円の横領をしていたことが発覚し、新聞やテレビで大きく報じられている。
この世に横領しても「まあいいか」と許されるタイプのお金があるのかどうか知らないが(たとえば政治家の作った裏金を気づかれぬよう横領している秘書は多いような気がするが←偏見?)、赤い羽根で集めた募金を横領するのは、想像できる範囲内では「やってはいけない横領」ナンバー1なのではないか。
といったわけで、このニュースを目にしたときの私の感想は「困ったことになった」というものだった。
なぜなら、私は現在、町内会の会計を任命させられているのだ。
私のような過疎化地域に住む人間にとって、町内会は面倒な存在である。入らざるを得ないのだ。なんとなく加入し、会費を払い、毎月『広報誌』等を受け取っているだけなら、まあ、なんであんなに会費を集めていきやがるのか、あの町内会費とやらは、きっと役員どもが飲み食いに使っているのであろう、ひどい話だ、そのうち辞めてやる、などと思っていればよいのだけど、ほぼ限界集落化している我が地域では、人材の著しい欠乏により、私のようなものでも会計などという役を振られたりする。そういったわけで、実際に会計なる業務を行うと、町内会費として集められたお金のうち、けっこうな額が寄付として使用されているのに気づくのだ。
町内会は、建前としては、地域による自主的で互助的な組織だが、実際に管理しているのは地方公共団体たる市町村であろう。だから、そこで集められるのは、行政機関が表立っては集めることのできないタイプのお金ということになる。いわゆる「寄付という名の謎のお金」である。その対象は、例えば「赤い羽根」であったり、地域の神社(厳密には宗教施設であり、絶対に行政的には絡めない!)であったりする。
といったわけで、町内会の会計としての仕事とは、住民の方から頂戴したお金を、依頼のあった組織へ振り込むというのが基本となる。我が町内会の実績でいえば、昨年も「赤い羽根」へ一戸あたり500円の寄付を振り込んでおり、今年も何もなければ同じ手続きを踏むことになるはずだった。
したがって、会計である私は、善意のみなさんから集めたお金を「赤い羽根」という悪の組織(?)に振り込むのである。「受け子」って奴? この会計の行為は犯罪にあたらないのか。
これがもし「スパイ防止法」的な法律に引っかかり、恣意的に運用されれば、私は犯罪組織の共犯として逮捕拘留される恐れがあるのではないか。おれは大丈夫なのか。知らなかったで済む話なのか。裁判にかけられるのか。
といったわけで、今年の「赤い羽根」への寄付は如何したものであろうか。来月には地域の清掃活動での集まりがあるから、会長さんや集まった住民の皆さんに聞いてみようと思う。
横領した人が「言われたら返そうと思って、大事に保管しておきました」とお金を直ちに返してくれるのなら、まあいいのだけど、おそらくそんなことは無さそうだから、そのお金、いったいどう補填するのだろう。はっきりしないことには募金しにくいのではないのだろうか(あるいは、しれっと募金を呼びかけるのだろうか)。おそらく募金額は大いに落ち込むに違いない。そうすれば、毎年この事業からの支援を受けていた団体などは困窮するし、行っていた事業そのものが存続の危機なのでは。ということは「良き事業」を継続させるためには、やはり町内会としては寄付は継続するべきなのか。
うーむ、困ったものだ。



