本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

2021-01-01から1年間の記事一覧

アリー my love_メモ◎017「人生のテーマソング」[Theme of Life]

冒頭はキックボクシングエクササイズに興じるアリーとレネとジョージア。 これはエクササイズとともにストレス発散もかねていると思われる。というのは、アリーはちょっと精神的に参っており、彼女の頭の中では事務所が水中にあって、そのなかを泳いでいる自…

アリー my love_メモ◎016「禁断の果実」[Forbidden Fruits]

「アリー my love」の放送が始まった1998年のアメリカで大いに話題になったのは、クリントン大統領のセックススキャンダルだった。 そんな世相を踏まえつつ、ドラマ「アリー my love」としては上院議員の不適切な略奪愛をモチーフとした回。 既婚者の奥さん…

アリー my love_メモ◎015「生涯に一度の愛」[Once in a Lifetime]

アリーは事務所の経営者ジョン・ケイジとデートをする約束をしているが、あまり気が進まない。うまくいくわけないと感じているのだ。っていうか、ジョンは〈運命の人〉って感じがまったく無し。はたして、どうなる! といった話が進むなか、事務所に持ち込ま…

アリー my love_メモ◎014「ボディ・ランゲージ」[Body Language]

アメリカの結婚式には様々な決まりがあるらしい。そのひとつが、花嫁の投げたブーケを受け取った女性は、次に幸せな結婚ができるとのジンクス。 というわけで、オープニングは、結婚式に出席しているアリーとレネ。花嫁がブーケを投げた瞬間、画面はスローモ…

アリー my love_メモ◎013「ペンギン作戦」[The Blame Game]

今回は、前回の第12話、すなわちグレンとの一夜限りの情事に関する後日譚。 海外へ旅立ったと思っていたグレンと偶然に出くわしたアリーは、もう一度、グレンとの行為に及ぶ。やはりCGのダンシングベイビーが軽快に踊り、バックにはヴォンダ・シェパードが歌…

アリー my love_メモ◎012「ダンシング・ベイビー」[Cro-Magnon]

彫刻教室で粘土をこねるアリーとルームメイトのレネ。全裸の男性モデルを眺めながらの作成で、そのモデルのナニが常識はずれにデカく、アリーとレネが驚愕するというオープニング。「粘土が足りなくなっちゃう」とレネがお下劣発言。 タイトルクレジットでは…

アリー my love_メモ◎011「銀の鈴」[Silver Bells]

いよいよクリスマス。 どうやら「ケイジ&フィッシュ法律事務所」では毎年華やかにパーティーを催しているようで、セクシーな秘書エレインはそこで歌うための準備に余念がない。自分を引き立たせるバックコーラスを物色中なので、アリーにも声をかけるが「エ…

破滅型漫才師をクールな作家が描く。「天才伝説 横山やすし」

「天才伝説 横山やすし」小林信彦文春文庫2001年1月10日初版発行 初出「週刊文春」1997年5月1日・8日合併号~1月6日号単行本1998年1月 文藝春秋 作家小林信彦には芸人に関する著作が幾つかある。あまりに有名な「日本の喜劇人」(1972年)のほか、 1992年「…

アリー my love_メモ◎010「無慈悲な天使」[Boy To The World]

華やかなクリスマスの準備シーズン、という中、今回はシリアス路線。 アリーは、判事ウィッパーから、売春で捕まったステファニーの弁護をするように頼まれる。 未成年のステファニーは本名スティーブンで、男だった。というわけで、性的マイノリティLGBTを…

アリー my love_メモ◎009「ダーティ・ジョーク」[The Dirty Joke]

冒頭、「何がジェーンに起ったか?」(1962年)を見て恐怖におののくアリーの姿。 というわけで、レネと映画の話になり、アリーは高校時代「最もジュリー・アンドリュースみたいになりそうな女」に選出された過去を告白。 最もジュリー・アンドリュースみたい…

アリー my love_メモ◎008「友達以上恋人未満」[Drawing The Lines]

冒頭、アリーとジョージアがふざけてコーヒーを非常にエロティックに飲むのだが、それはズバリ、セックスのメタファー! ドラマ「アリー my love」はアケスケなセックスコメディっぷりがウリなのだ。それをビリー(アリーの幼馴染みで元恋人、現在ジョージア…

アリー my love_メモ◎007「魔性の女」[The Attitude]

この回は、まず1つ目、ルームメイトのレネの機転で、アリーはイケメン検事ジェイソン氏とデートをすることになる。 2つ目、ユダヤ教のラビと交渉をするという仕事がアリーに舞い込む。 夫が植物人間になってしまった奥さんからの依頼で、法的には離婚が成…

アリー my love_メモ◎006「婚約」[The Promise]

アイスクリーム会社の商標登録のトラブルの裁判。アリーは相手側の太った弁護士ピピン氏と対決する。裁判の後、ピピン氏は突然ぶっ倒れ、アリーのマウス・トゥ・マウスの人工呼吸で一命を取り留める。 ピピン氏は間も無く幼馴染との結婚式を控えていた。ピピ…

萩尾望都作品ベスト短編集といってもよい「10月の少女たち」

萩尾望都小学館文庫2012年10月18日初版発行657円+税 短編漫画の傑作を数多く生み出している萩尾望都先生なので、短編集が数多く出版されている。なかでも小学館からは、文庫という形でたくさん出ている。 「10月の少女たち」も、そんな一冊。 この本は2012…

アリー my love_メモ◎005「涙の数だけ」[One Hundred Tears Away]

冒頭、スーパーマーケットでオバさんとポテトチップスの奪い合いとなり、暴力を振るったとして逮捕されるアリー・マクビール。テンポの良いコミカルな展開が可笑しい。 その後、暴行事件だけでなく、避妊ゼリーの万引き容疑まで加わり、アリーは弁護士として…

小林信彦のコラム1998年「人生は五十一から」

「人生は五十一から」小林信彦文春文庫2002年4月10日初版発行 初出誌 週刊文春単行本 1999年6月 2021年7月、いつものように地元の図書館で「週刊文春」最新号を読んでいたら、小林信彦のコラムが最終回とあり、驚いた。 よく考えれば小林氏は高齢だし、数年…

アリー my love_メモ◎004「ラブ・アフェア」[The Affair]

大学時代の先生が死去した、とアリーはフィッシュから聞かされる。その先生、ドーソン教授とアリーは、一時期不倫関係にあった! というわけで、原題の「The Affair」とは情事という意味らしい。ズバリ「不倫」についての回。 さて、教授の奥さんから弔辞を…

モーさま上京一年目1971年の傑作群「11月のギムナジウム」

萩尾望都小学館文庫1976年4月20日初版発行 昔々、長く愛され名作と呼ばれるような本は文庫本となり、安価で広く流通されている、と思っていた時代があった。現在は、そうではなく、「あ、これ文庫になっている!」と見つけた瞬間に買っておかないと、あっと…

アリー my love_メモ◎003「恋愛方程式」[The Kiss]

2話目に登場した「ケイジ&フィッシュ法律事務所」のクライアント候補でイケメンのロナルド・チーニー氏とアリーとのデートのお話がこの回のメイン。 というわけで、アリーはイケメンのドナルド氏とのデートに臨み、別れ際ロナルド氏はアリーのほっぺにキス…

アリー my love_メモ◎002「愛は妥協から」[Compromising Positions]

「アリー」第2話目は、なんといってもジョン・ケイジ初登場の回。 「アリー my love」の舞台となる法律事務所「ケイジ&フィッシュ法律事務所」の共同経営者であるジョン・ケイジはシリーズを通して重要人物の一人だが、シーズン最初はレギュラーというより…

アリー my love_メモ◎001「めぐりあい」[Pilot]

そんなわけで、1997年から5シーズンにわたって続く「アリー my love」第一回目を見直してのメモ。 主人公は女性弁護士であるアリー・マクビールで、このドラマはキャリアウーマンが数々の困難にめげず仕事も恋も一生懸命頑張るコメディ、といった理解でよい…

アリー my love_メモ◎まえがき

1997年からアメリカで放映されたドラマ「アリー my love(原題:Ally McBeal)」。日本でもNHKで放送されて大人気だった。 私も2000年頃からこのドラマにハマってしまい、現在は、全話のDVDを揃えてしまった始末。作られてから、もう20年以上が経っているのだ…

セゾン文化をつくった堤清二と家族。「堤清二 罪と業」

「堤清二 罪と業 最後の『告白』」児玉博文春文庫2021年6月10日初版発行 単行本 2016年 文藝春秋刊 1980年代、私は20代で、東京に住んでいた。だから、いわゆる〈セゾン文化〉に様々影響を受けた。西武百貨店の一連の広告も好きだった。 その当時は景気が良…

人は幸福なとき、けっして映画など見ない「カイロの紫のバラ」

アメリカの古き良き時代、30年代を舞台に、映画への愛をファンタジックに謳い上げるハートフルなロマンチックコメディ! といった印象で語られるウディ・アレン1985年公開の映画「カイロの紫のバラ」であるが、私自身も公開当時に見たまま、そんなイメージで…

クリスティーの超有名作「アクロイド殺し」を読む

なぜだか急にアガサ・クリスティーのミステリーが読みたくなった。クリスティーの小説を読むのは、子供のころ以来ではないか。 面白いと思ったことは記憶している。「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」「ゼロ時間へ」などを読んだのを覚え…

小林信彦の「喜劇人に花束を」(新潮文庫)の再読と単行本との比較

「喜劇人に花束を『植木等と藤山寛美』増補改題」小林信彦新潮文庫1996年4月1日初版発行 「この作品は平成4年3月新潮社より刊行された『植木等と藤山寛美 喜劇人とその時代』に、書き下ろしの第三部「伊東四郎」を増補し、改題した。」と巻末にある。 2021年…

萩尾望都「一度きりの大泉の話」はやはり衝撃の本と言わざるを得ない

「一度きりの大泉の話」萩尾望都2021年4月30日初版発行河出書房新社1800円+税 ある日、書店の目立つ棚に、萩尾望都「一度きりの大泉の話」という美しい書籍を発見した。ネットで話題になっていたのは、ぼんやり目にしていた。カバーは麗しいエドガーのイラ…

日本で一番素晴らしい青春映画といえば、やっぱり「の・ようなもの 」

一番好きな日本映画は何ですか、と問われた際、なんと答えるべきか。全然、誰にも聞かれないが、実は答えを用意してある。 1981年公開の森田芳光監督の商業デビュー作「の・ようなもの」だ。 洋画なら「フェーム」なのだが、この2本は似ている。 どちらも青…

一番好きな映画は「フェーム」

一番好きな映画は何ですか、と問われた際、なんと答えるべきか。全然、誰にも聞かれないが、実は答えを用意してある。 1980年公開のアラン・パーカー監督作品「フェーム」だ。 ニューヨークの芸術高校を舞台に、ショービジネスの世界を目指す若者たちの群像…