本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

初期スカーレット・ヨハンソンを見よう!「真珠の耳飾りの少女」

 一幅の絵のようだ、って表現があるけれど、そんな感じがずっと続く映画であった。

 ま、単に、「ゴーストワールド」を見て、そのころの「初期」スカーレット・ヨハンソンの映画を観てみようと思ってDVDを借りたのが「真珠の耳飾りの少女」だったわけで。そんなだから、はなから物語になど、たいして期待していなかったのだけど、まさにそういう映画だった。

 17世紀のオランダ、貧乏家庭の少女グリートは奉公へ出ることとなり、そこは画家フェルメール家であった。使用人としてさまざまな家の仕事をこなすグリートには色彩に関する才能があり、フェルメールは少女を助手のように扱い始める。そこで繰り広げられる、意地悪、いじめ、嫉妬、愛憎などなどを描いた映画であるようなのだが、ハイブロウすぎてよくわからないところもあったのだけど、なにも問題はない。ただただグリートを演じるスカーレット・ヨハンソンの美しさと、まるでフェルメールの絵画のような光りが美しい画面作りを、うっとりと眺めていればよい映画なのだ。

 絵画についてほぼ知識のない私でも、さすがにフェルメールの名前と代表的な絵画くらいは知っていて、それらの絵を連想させるシーンなどが出てくると、ああ、なんか動くフェルメールの絵のようだなあ、なんて思って見ていたわけであり、そんなシーンの中のスカーレット・ヨハンソンの存在感は圧倒的であった。なんと美しい造形の人間なのかスカーレット・ヨハンソン! 奇跡的といってよい。

 「バーバー」のビリー・ボブ・ソーントンとか、「マッチポイント」のジョナサン・リース=マイヤーズとか、スカーレット・ヨハンソンに出会うことでおかしくなってしまった人物を描くというジャンルの映画がいくつかあるが、コリン・ファースもその中のひとりであったか。

 

真珠の耳飾りの少女(2003年)100分

GIRL WITH A PEARL EARRING

イギリス

監督:ピーター・ウェーバー

原作:トレイシー・シュヴァリエ真珠の耳飾りの少女』(白水社刊)

脚本:オリヴィア・ヘトリード

撮影:エドゥアルド・セラ

出演:スカーレット・ヨハンソンコリン・ファーストム・ウィルキンソンキリアン・マーフィ ほか