天才黒人ピアニストとイタリア系あんちゃん、南部への旅「グリーンブック」
物語は1962年のニューヨークから始まる。
主人公トニーを演じるのは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン。トニーは、腕っぷしが強くって、ちょっと強面って感じで、ぴったりなキャスティング。教養が無くガサツで短絡的だけど、友達がいっぱいいて、奥さんと家族を愛する下町の気の良い兄ちゃんがそのまま大人となった感じ。
一方のドクは黒人のくせにアレサ・フランクリンを知らず、フライドチキンも食べたことがないという変人の天才ピアニスト。
失業中のトニーがドクに雇われ、運転手兼ボディガードとして、差別の残る南部へ演奏旅行に出掛ける、というのが主なお話で、いわゆるバディものであり、ロードムービーだ。しかも実話であるという。
ま、こういうストーリーであるから、うまく描けば、非常に良い話になるわけだが、これが実によかった。
監督は「メリーに首ったけ」など、ちょっとあくが強めのコメディのヒット作を連発していたファレリー兄弟のひとりであるピーター・ファレリーとのこと。なるほどユーモアに溢れており、実に楽しく見た。
たぶん非常に評判の良い映画であると思われ、だから私がことさら付け加えて書くこともない。
良い映画、傑作。
グリーンブック(2018年)130分
GREEN BOOK
アメリカ
監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー
撮影:ショーン・ポーター
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ ほか