本と映画の埋草ブログ

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アリー my love_メモ◎008「友達以上恋人未満」[Drawing The Lines]

 冒頭、アリーとジョージアがふざけてコーヒーを非常にエロティックに飲むのだが、それはズバリ、セックスのメタファー!
 ドラマ「アリー my love」はアケスケなセックスコメディっぷりがウリなのだ。それをビリー(アリーの幼馴染みで元恋人、現在ジョージアの夫)がガン見。

 この回の原題[Drawing The Lines]は「線を描く」と訳すのだろうか。友達と恋人の〈一線〉を描く、という意味なのだろう。
 アリーのセクシーなコーヒーの飲み方を見て、ビリーはアリーへのかつての恋心を思い出してしまう。二人はこの後、きちんと線を引けるのだろうか、ということで……。

 さて、第6話目から「ケイジ&フィッシュ法律事務所」では若くて胸の大きなアルバイトの女の子が溌剌と登場しており、社長のフィッシュやビリーが彼女の姿を見るたびにうっとりしているというギャグが繰り返されてきた。今回、ついにその件が問題となる。
 その有様を、秘書エレインが訴えることにしたのだ。
 アルバイトの女の子は不適切な職場環境を作り出している存在であり、事務所で働く女性社員に対する賠償を会社に求めるとし、さらに彼女には辞めてもらわねばならない、と主張。エレインは弁護士キャロライン・プープを雇い、事務所と戦うことになる。

 さて、エレインが雇う怖い女性弁護士キャロライン・プープを演じるのはサンドラ・バーンハードという女優で、マーチン・スコセッシ監督「キング・オブ・コメディ(1982年)」でストーカーの女性を演じていた人。一度見たら忘れられない強烈な個性! この女性、唇がミック・ジャガーっぽくて、ヤバイ。

 ところでエレインが若い女の子に対し訴訟騒ぎを起こすのは、彼女が常に注目を浴びていたいタイプのキャラクターだということで、アリーはエレインに向かい「あなたを見ていると、気の毒っていうか、寂しい人なのかな、って思っちゃう」と告げる。それを聞くエレインの哀しい表情がなんともいえない。ま、そんなことを現実に言われたら、大変に悲しい。その後も、エレインはお調子者で哀しいエピソードを様々披露するキャラクターとなる。

 この回のアリーの仕事は離婚訴訟である。
 お金持ちの夫と別れることとなった奥さん側の代理人として、旦那さんと交渉することになる。アリーとジョージアはチームを組んで奥さんの権利を正々堂々と主張してゆくのだが、この件でフィッシュは探偵を雇い、独自に旦那の浮気証拠写真を入手する。
 結局、交渉(というのは、平たく言えば、入手する金額を吊り上げるということ)を有利に進めるため、相手をゆする真似をすることになる。そんなわけで、ある〈一線〉を越えさせられたと怒るアリー。汚れ仕事をさせられたことで、アリーとジョージアはフィッシュと対立。

 エレインたち事務の女性スタッフからはセクハラで訴えられ、弁護士のアリーたちは事務所の方針に異を唱える。万事休すの社長フィッシュはスタッフたちの前で意見を述べる。「楽しい職場を作りたかっただけなのに」。
 フィッシュとしては待遇も他より良くして、スタッフたちはみんな楽しく働いていると思っていたのだ。うーん、経営者はつらいよ。
 フィッシュの本音は「楽しい職場を作りたかっただけなんだ。楽しいのが好きなんだ」というわけで、アリーが言う。「じゃ、パーティーをしましょう!」
 と、「アリー my love」の歌姫ヴォンダ・シェパードが歌うのが「It's My Party」という曲。レズリー・ゴアという方の歌う1963年の大ヒット曲。日本でのタイトルは「涙のバースデイ・パーティ」で、園まりや中尾ミエが同年の1963年にカバーしている。プロデューサーはクインシー・ジョーンズだという。

 

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