本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

アリー my love_メモ◎009「ダーティ・ジョーク」[The Dirty Joke]

 冒頭、「何がジェーンに起ったか?」(1962年)を見て恐怖におののくアリーの姿。
 というわけで、レネと映画の話になり、アリーは高校時代「最もジュリー・アンドリュースみたいになりそうな女」に選出された過去を告白。
 最もジュリー・アンドリュースみたいになりそうな女? というのは、お高くとまり、スカしてる、という意味らしい。なんというジュリー・アンドリュースに対するヒドイ評価!

 そんなわけで、そんな優等生キャラのアリーには、大人な「ダーティ・ジョーク」は似合わない、と皆んなに虐められる、という一席。

 もう一つのお話は、「ケイジ&フィッシュ法律事務所」内のセクハラ騒動。
 前回は、若くて健康的で(巨乳の)美しいアルバイトの女の子の存在が職場環境を不適切なものにしている、と秘書エレインが主張する、というドタバタだったのだが、今回はなんと、逆にそのアルバイの女性が会社を訴えるという事件が発生。セクシーであるという理由で職場の女性たちから嫌がらせを受けたというのだ。
 その訴えの代理人は、前回エレインと組んでいた怖い女性弁護士キャロライン(サンドラ・バーンハード)である。
 一方、金髪美女ジョージア(アリーの元恋人の奥さん)は、このキャロラインの私を見つめる瞳が異常であると主張。レズビアンに違いない、と。なにがなんだかわからない。

 ラスト、若さ溢れ出る健康的セクシーアルバイトから訴えられた事務所代表フィッシュが、素直にアルバイトの女性に謝罪するシーンが爽やか。
 フィッシュ、いい奴じゃん!

 さて、お堅いジュリー・アンドリュースみたいなアリーには「ダーティ・ジョーク」は無理、とさんざん周りから言われたため、アリーはいつものバーでジョークを披露するハメになる。
 今や性差別は解消されつつある、しかし、卑猥なジョークを女性が言うのはタブーとの風潮があり、つまりダーティ・ジョークは性差別の残っているジャンルであり、そこに風穴をあけるべく、アリーは「蚤のジョーク」を披露。

 フロリダにいる〈蚤A〉と〈蚤B〉の会話。〈蚤B〉がブルブル寒さに震えている。ニュージャージーから大型バイク乗りの男の口ひげの中に潜って、ここにたどり着いたのだという。〈蚤A〉は〈蚤B〉にアドバイスする。「いいかい、暖かくここへたどり着くには、まず空港のバーへ行き、フロリダ行きの便に乗るキャビンアテンダントのオネエちゃんを見つけるのさ。その彼女の足元から上へ登って行くと、暖かくて柔らかい場所にたどり着く。わかるだろ。そこで一晩過ごすと、暖かいままフロリダに到着ってわけさ」
 しかし、翌年、フロリダで再会した〈蚤A〉と〈蚤B〉だが、やはり〈蚤B〉はブルブル寒さに震えていた。「なんだい、俺のアドバイスどおりにしなかったのかい」
 〈蚤B〉は、いきさつを話す。「アドバイスどおり俺は空港のバーでフロリダ便のキャビンアテンダントを見つけ、彼女の暖かくて柔らかい場所に無事たどり着いたさ。ところがそこでゆっくり眠っているうち、どうしたわけか翌朝、大型バイク乗りの口ひげの中に逆戻りさ!」

 ジュリー・アンドリュースみたいな見てくれなのに、なんて下品な、という感じで、バーには微妙な空気が流れ、アリーのジョークは滑りまくってまるでウケないのだった。