本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

なぜか今宵、高畑充希について考えてみた

高畑充希は不思議な俳優だ。

先日、映画「怪物」を観て、高畑充希の出演シーンに違和感を覚えた。というか、高畑充希を見るたび、この方のポジションがよくわからないと感じる。ドラマや映画で主演を演じるクラスであると認識している。CMにもたくさん出演している。高畑充希はトップクラスの女優である。そのわりに、こんなオファーも受けるの、といった仕事もするのだ。

映画「怪物」での役は、主要登場人物である学校の先生の恋人役。セクシーな恋人役であり、二人でいちゃつくシーンが用意されていた。そして、いつの間にか、出てこなくなる。こういってはナンだが、映画にとって大きな役とは言えないと感じた。だから、高畑充希、もったいない使い方ではないか、と思ってしまった。っていうか、高畑充希のセクシーって需要あるのか?

三菱地所のCMに出てくる高畑充希は、その奇抜な衣装とメイクが、なんだかモデル風であり、ケンタッキーフライドチキンのCMではアイドル風に撮られているように見えるのだが、高畑充希にアイドル的な要素、いるのか?

2021年の映画「明日の食卓」は三人の母によるオムニバス形式のホームドラマで、主演をつとめたのは菅野美穂尾野真千子と、そして高畑充希。ここでの高畑充希は大阪の肝っ玉シングルマザー役で、ほかの二人(菅野美穂尾野真千子)の大物感が半端ないなか、ひとり若手な感じがする高畑充希は、難しい役を器用に演じていた。っていうか大阪の肝っ玉母さんなので、なんだかベテラン感を漂わせていた。このキャストで高畑充希はバランス悪いのでは、と思ったのは私だけか。

 

ここで断っておくが、私は高畑充希に好感を持っている。以上のテキストも、彼女を批判するために書いたわけではない。

私が高畑充希を知ったのはNHKの朝ドラ「ごちそうさん」だ。東出昌大の妹役だった。無口で引きこもりの妹で、歌が抜群に上手い、という変な役であり、印象に残った。その後、NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」でヒロインを見事に演じ、あれよあれよという間に売れっ子になり、現在に至る。

特に印象に残ったのは、「ゆうちょ」のCMに出たとき。私は「あまちゃん」で能年玲奈ファンになり、よって彼女が出ていた「ゆうちょCM」が大好きであった。その後、能年玲奈は所属事務所とのトラブルが起き、ほどなく彼女の「ゆうちょCM」は放映されなくなった。直後「ゆうちょCM」のキャストは高畑充希に交代となり、それを目撃した私は、ああ、このひとがポスト能年玲奈的なポジションなのか、と若干の敵意を持って高畑充希を眺めたのであった。しかし、だからといって、私が高畑充希に好感を持っているのは、疑いのない事実である。

 

おそらく高畑充希さんは、現場でのウケがとても良いのではないだろうかと想像する。だから、なにかっていうと「あのこで行こう」なんて具合に高畑充希が起用されるのではないか。で、なんでも出来ちゃうので、キャラが定まらないまま、「なぜここに高畑充希?」となっているのである。

ただ、そんなふうに違和感を抱いているのは私だけという可能性もある。

 

と書いてきて、なぜ私は高畑充希についてこんな考察をしているのか。不思議だ。私は高畑充希に好感は持ってはいるものの、特にファンではない。映画「怪物」を観て感じた違和感を、何となく書いてしまった。

高畑充希は年齢を重ねると、大竹しのぶのような感じになるのではないか、とぼんやり想像している。もちろん、褒めているつもりである。