本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

ダメ刑事イーストウッドの逆襲劇「ガントレット」

 遠い昔、はるかかなたのテレビの世界では、月曜日とか水曜日とか日曜日とかの夜9時から洋画劇場というプログラムがあって、様々な映画が放映されていた。クリント・イーストウッド主演の西部劇やアクション映画は人気があったから、よく放送されていたものだ。というわけで今回ご紹介の「ガントレット」もよくかかっていたように記憶している。1977年のクリント・イーストウッド監督・主演の刑事アクション映画で、共演は当時の愛人ソンドラ・ロック!

 我らがクリント・イーストウッド扮するフェニックスのショクレー刑事は、ある事件の証人であるソンドラ・ロックをラスベガスから護送する仕事を引き受ける。それは簡単な仕事のはずだった(←ってのは、刑事ものアクション映画の冒頭ではド定番ですね!)。

 ラスベガスへ行くと、ソンドラ・ロックは護送を拒否。殺されるから、という。その後、確かに次々と命を狙われる二人。しかも、どうやら二人の命は賭けの対象にされているらしく、二人が殺される方へどんどんお金が積まれているらしいことが分かってくる。生き残る側の倍率は100倍くらいになっている。競馬でいうと万馬券である。いったいこの状況は何なのか。

 

 映画の中では解説されないが、ガントレットという言葉は、その昔に行われていた刑罰とか私刑であるという。罰を受ける人は二列に並んだ兵士の間を通り抜けるよう強制され、両脇に並んだ兵士たちが、被告をボコボコに攻撃するものであるという。たいていの場合、罰を受ける者は死んでしまう。

 こういう儀式はいろんなところにあるらしく、アメリカインディアンの中でも、相手を一瞬自由にしてから、逃げる相手を大勢で狩る、といったような刑罰があったらしい。人間狩りである。

 

 といったタイトルを付けられた映画であるから、次から次へと主人公たちは窮地に立たされ、派手なアクションシーンが続いて楽しいのだが、なんといってもグッとくるのは、クリント・イーストウッドが負け犬ダメ刑事、という設定だ。

 同世代の仲間は出世して事務仕事に就く中、自分はいつまでも現場であくせく働き、女ともうまく付き合えず、孤独にひとり、酒にすがっている。

 そんな状況の中、今回の事件が起きたのだ。イーストウッド演じる刑事は、仲間であるはずの警察たちにも次々命を狙われることになってしまう始末。一緒に逃亡する羽目になるソンドラ・ロックにもそのような惨状を見透かされ蔑まれるのだが、これではいかん、男の意地を見せなければ、と奮起したクリント・イーストウッドは、ついに立ち上がり、無謀といえる行動に出る!

 

 ダメな男が立ち上がる、といえば、イーストウッド映画の金字塔「許されざる者」もそうではないか。といったわけで「ガントレット」は、ダメ男映画愛好者の私にとっては外せない映画なのだ。

 

原題:THE GAUNTLET

製作年:1977年

製作国:アメリ

上映時間:109分

 

監督:クリント・イーストウッド

製作:ロバート・デーリー

脚本:マイケル・バトラー、デニス・シュレアック

撮影:レックスフォード・メッツ

出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック 、パット・ヒングル

 

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