本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

ダメ男映画の金字塔「評決」。アル中ポール・ニューマンに痺れよ!

 結局のところ、私が好きになる映画のジャンルって、青春映画かダメ男映画なのではないか。といったわけで、1982年のポール・ニューマン主演の裁判劇「評決」。監督は巨匠シドニー・ルメット

 

 ファーストシーンは酒呑みながらピンボールをたしなむポール・ニューマンで、これって侘しい風景として意図されたと思えるシーンなのだけど、ポール・ニューマンだから、なんだかカッコよいんだな。これこそ哀愁というものだと思わざるを得ない。

 そして、その後も侘しくも哀しいダメなシーンが続く。

 ポール・ニューマンはダメ弁護士で、現在ロクな仕事をしておらず、いわゆるアルコール依存症状態。知らない人の葬式に顔を出しては、名刺を配ったりしている。葬儀中とかその後って、親族親戚等とにかく揉めたりするわけで、弁護士としてはメシのタネを拾うのに格好の場なのだろう。ポール・ニューマン扮するダメ弁護士はそういった落穂拾い的な営業活動をするしかないテイタラクなのだ。

 こんな時、持つべきものは、やっぱり友達だ。見るに見かねた唯一の友人弁護士は、すぐにお金になる医療ミス事件の仕事を廻してくれる。出産時の麻酔が原因で植物人間になってしまった若い女性が被害者。裁判をする前に、示談で解決しそうなので、廻してもらった仕事といったわけである。

 あきらかな医療ミスだから、裁判になったらそのように証言する、という協力者もいる。麻酔医である。なぜそんな証言をしてくれるのか、ポール・ニューマンが聞くと彼は答える。「君と同じさ、正義のためだよ」

 戸惑うポール・ニューマンの顔。

 とにかくまあ、正義は置いといてお金は必要である。示談金をふんだくるため、張り切って病室で被害者の女性の悲惨な様子をポラロイド写真に撮るポール・ニューマン。被害者女性を見つめる主人公の表情が変わっていく……。

 

 というわけで、ダメな中年おやじが、いかにして再生するか、という映画である。そういう映画が名作でないわけが無い。

 当然、その後、この裁判は、簡単に示談で解決するような展開にならず、主人公は様々な困難に直面する。「もうだめだよ」と弱音を吐くポール・ニューマンを叱るシャーロット・ランプリングが最高に良いんだよね!

 

原題:THE VERDICT

製作年:1982年

製作国:アメリ

上映時間:129分

配給:20世紀フォックス配給

 

監督:シドニー・ルメット

製作:リチャード・D・ザナック、デイヴィッド・ブラウン

製作総指揮:バート・ハリス

原作:バリー・リード

脚本:デイヴィッド・マメット

出演:ポール・ニューマンシャーロット・ランプリングジャック・ウォーデン、ジェームズ・メイソン 

 

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