本と映画の埋草ブログ

本と映画についてあまり有意義ではない文章を書きます

テレビドラマデイズ2022夏◎家庭教師のトラコ

  • 家庭教師のトラコ(日本テレビ 水曜ドラマ 22時から)

 積極的に見ようと思っていなかったのだけど、つい怖いもの見たさで録画したのが「家庭教師のトラコ」である。「家政婦のミタ」など、ちょっと変なドラマをつくる遊川和彦の脚本で、「家庭教師のトラコ」というタイトルが、もう怪しい雰囲気を出しまくりだ。そんな怪作の予感漂う作品の主演が、あの橋本愛であるというところに引っかかってしまい、このドラマを見始めたというわけ。

 「あまちゃん」の親友の美少女ユイちゃんとして圧倒的存在感を見せた橋本愛。「桐島、部活やめるってよ」での美少女っぷりも印象に残る。しかし、この方、主演のイメージがない、というか、あまりに均整の取れた美少女ぶりが非現実的とも感じられ、日常的ドラマに出ていても違和感ありあり。こんなキレイな人はいない、いません、いるはずがない、という非日常的な人という印象なのである。そんな橋本愛遊川和彦脚本のドラマの主演に据えるという企画で、どうするのかと注目したのだが、「コスプレ」という手で進めるのですね。

 そんなわけで、メリーポピンズ風の上品な家庭教師、ちょっとセクシーな悪女風、男まさりの熱血教師風と、3種類の橋本愛を楽しめるドラマという感じ。あ、家庭教師へ行っていない普段の姿(基本的に不機嫌であり、なんとなく素の橋本愛はこんな感じなのではと思わせる)のパートもあるので4種類か。ほかにもちょくちょくコスプレ姿で現れ七変化が楽しめる趣向となっている。いずれにせよ、この流れなら、ヒロインのキャラは非日常的であり、橋本愛の非日常的容姿に即しているのかもしれない。

 正直な感想を言えば、熱血教師風パートのセリフ回しなどに違和感があり、居心地の悪さを感じるのだけど、今後の橋本愛をどうするべきかという大きな課題を考察するためにも物語の展開には大いに期待したい。

 いずれにせよ、ことごとくエピソードが突飛すぎる展開なので、ちょっとこれは……、とも思って見ているのだが、ま、一種のコントだと思えば楽しく見られる。

さて、ヒロインのトラコは3つの家庭を訪れる。というわけで、ドラマ「家庭教師のトラコ」は、基本的には3つの家庭を舞台としたホームドラマである。奇抜なキャラを投入することで、従来のホームドラマに新たな味付けを施し成功したのが「家政婦のミタ」だったのだとしたら、「家庭教師のトラコ」も同じ狙いであろうと思える。これらのことが、遊川和彦にとっては、従来のホームドラマに新味を加える程度のことだったのか、あるいはこれまでのホームドラマをぶち壊す意図があったのか分からないのだけど、既成の家庭劇を壊して更新するようなものであってほしいという期待は十分にあるのだが。

 で、思い出したのが、こんなシーン。ヒロインのトラコが訪問先の家族についてやたらと詳しかったため、「なんでうちの家族についてそんなに詳しく知っているのか」と訝しんで質問され、トラコは答える。「家庭教師ですから」。どこかで聞いたセリフだと思ったのだが、「家族ゲーム」ではないか!エキセントリックな家庭教師が、家族の問題をあらわにして去っていく1983年の森田芳光監督作品。とすると、橋本愛松田優作であったか。

 最後にひとこと。録画したものを見ているので、「ちむどんどん」を見た直後にこの「家庭教師のトラコ」を見ることがあるのだが、そうすると続けざまに鈴木保奈美が大仰に母親役を演じており、不思議な感覚にとらわれる。ブレイク中なのか保奈美!

 

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